2018年5月の仮想通貨市場を振り返る ~下落の理由・6月の展望~

2018年5月の仮想通貨市場は、5月初めの上昇を節目に下落傾向で価格推移。

4月にビットコインが上昇し始めていたことで、多くの仮想通貨投資家が中期上昇基調へと転換すると期待していた。

しかし、各国の経済・安全保障上の不安が仮想通貨市場の下落に影響していることが原因の1つといえる。

2018年5月の仮想通貨の動き

まずは、仮想通貨市場全体の動きを時系列で解説していく。

ポイントは、基軸通貨であるビットコインの動きだろう。

5月6日前後では4月からの上昇相場が継続していたが、その後一時1BTC=10万円近い急落を記録していることだ。

5月6日までは順調に上昇相場を形成していた

5月の仮想通貨市場を分析するにあたって、難しいポイントが5月6日までビットコインを始め多くの仮想通貨が上昇チャートを形成していたことだろう。

一般的な分析をすれば、この時期にネガティブ要因は特になく、むしろ企業の仮想通貨事業参入や安定した資金流入などで、底堅い上昇傾向であった。

また5月6日には5月の最高値である、1BTC=約96万円を記録し、2017年を彷彿とさせる100万円台まで目前となっていた。

出来高は一定且つ5月7日以降は下落基調

5月6日には90万円台後半の価格を記録したことで、投資家から見ると下落基調から抜けたと感じるチャートであった。

しかし、その翌日から一転して下落へと変わるのである。

この原因についてだが、ビットコインや他のアルトコインで大きな問題が起きていたわけではないが、反対に高騰・上昇する材料が無かったことが考えられる。

また、2018年1月の暴落相場は投資家にとって記憶が新しく、中規模の上昇が先月から5月初めにかけて起きたことで再び暴落するのではないかという心理的要素も資金回収の動きの理由といえるだろう。

5月29日に底値を記録か

5月11日には急激な出来高増加とそれに伴う急落により、仮想通貨市場は更に売り基調となり冷え込んだ相場となっていた。

しかし、一時的な下落であれば、前述の心理的不安やサプライズがなかったことと考えられる。

その理由として5月29日のビットコインは、1BTC=約80万円の価格帯で反発し、5月31日に掛けて上昇している。

上昇要因としては、欧州・東アジアで経済・安全保障上の緊張感が高まっているので、リスクヘッジとして仮想通貨が購入されているからだろう。

個別通貨の動き

2018年5月の個別通貨の動きは以下。

ビットコイン(BTC)

5月の基軸通貨ビットコインは、5月6日の上昇を境にして下落基調であった。

前述でも説明したように、ビットコイン自体にハッキングや何かしらの問題が発生していたわけではない。

しかし仮想通貨投資家が、長期上昇相場を期待できなかった心理的不安や、上昇相場を後押しする技術的・ファンダメンタル的要因がなかったことが下落相場の主な要因だろう。

ただ、5月29日頃から上昇基調へと転換し始めているので、世界経済のリスクヘッジ先と合わせて上昇傾向が継続することが期待される

イーサリアム(ETH)

イーサリアムもビットコインのチャートのように下落相場で、5月31日の価格は1ETH=62,000円台だ。

チャートの違いといえば、短期移動平均線が下がりきっていないのでテクニカル分析では、6月も下落基調になる可能性が考えられる

しかし、5月31日に発表されたニュースで、Wei Walletというイーサリアム専用ウォレットアプリ(iOSのみ)がリリースされポジティブ要因といえる事が起きた。

このような小さなサプライズも相場の下支えとなる。

また5月の下落要因は、ビットコイン同様心理的不安要素と、大きなサプライズが無かったことだろう。

リップル(XRP)

リップルは5月31日時点で、1XRP=約66円の価格を記録している。

5月の相場もビットコインやイーサリアム同様、5月11日の急落に加えて月末まで下落基調が続いた。

ファンダメンタル分析をすると、どちらかといえば上昇要因へと繋がる材料が5月にも出ていたにも関わらず、市場へと反映されていない事が分かる。

特に、イギリスなどの金融機関で、国際送金の手段としてリップルの利用が進められているのは、比較的大きなファンダメンタル要因だ。

基軸通貨ビットコインは5月29日頃を境として、再び上昇傾向なのでリップルも連動し、ファンダメンタル要因も反映されることが期待される

ビットコインキャッシュ(BCH)

ビットコインキャッシュは、他のメジャー仮想通貨と比較して5月29日以降も下落傾向がゆるやかに続いているといえる。

また、5月31日時点では1BCH=約10,855円となっている。

5月16日には、ハードフォークが無事実施されたが、仮想通貨市場全体の下落傾向に押され、本来ポジティブ要因として考えられるハードフォーク実施と、それに伴うブロックサイズ拡大で価格は上昇しなかった。

他の仮想通貨よりも下落傾向が強いので、6月以降もしばらくはレンジ相場とゆるやかな下落が考えられる

ライトコイン(LTC)

ライトコインは、下落基調もさることながら価格変動が激しく推移していた。

特に5月17日のレートは、高値で1LTC=約15,000円・安値で1LTC=約10,000円と1日で5万円程の大きな変動を記録した。

ファンダメンタル要因やライトコインに関するサプライズは無かったが、4月にライトコイン創始者が発言した、「将来的にライトコインから手を引くかもしれない」という趣旨が相場に影響していると考えられる

6月以降の相場は、新たな材料が投入されるかに掛かっているだろう。

モネロ(XMR)

モネロも、ファンダメンタル要因や材料がそろった訳でもないので、ビットコインと連動した下落基調で推移していた。

また、5月22日に起きた約30,000円を超える急落を境目に、翌日以降の下落基調が強まっている事にも注目だろう。

またテクニカル分析だとデッドクロスサインが出ているので、6月以降も緩やかな下落になるだろう

ネム(XEM)

ネムも他の仮想通貨同様5月29日まで下落基調だったが、その後6月に向けて上昇基調が始まっていることに注目だ。

他のアルトコインの多くは、5月31日時点でレンジ相場か下落基調が続いている。

しかし、ネムはファンダメンタル要因や材料が無い中、月末に上昇サイン発生している。

理由としては、ネム投資家が底値と判断し買いに転じているという要因しかないだろう。

他の仮想通貨よりも上昇に転じるのが早いので、6月前半に急騰となる可能性がある

5月の展望

仮想通貨市場は、企業が仮想通貨事業参入するニュースや各仮想通貨が安定して運用されている為下落要因は見当たらなかった。

しかし、ビットコインやメジャーアルトコインは、5月7日以降軒並み下落を記録していた。

その原因は各仮想通貨に大きな材料が少なく、上昇の下支えになる理由がなかったことがあるだろう。

さらに、そこで下落に転じると感じた投資家が、早めに資金回収した可能性もある。

また、5月末に上昇・レンジ相場となった要因として、イタリアの経済危機や米朝首脳会談を控えて世界的に経済・政治・安全保障が動く時期と重なっている

つまり、リスクヘッジとしてビットコインが買われている可能性もあり、月末に上昇を始めたのではないかと分析出来る。

6月の仮想通貨市場は世界経済や安全保障関係などの、外部要因で大きく変動する可能性があるので注視しておこう

2018年5月の仮想通貨 まとめ

5月の仮想通貨市場は、上昇相場はわずか1週間足らずで下落へと転じ、仮想通貨投資家にとって盛り上がりにかける相場だった。

ただし、5月末にビットコインを中心とした上昇やレンジ相場の始まりが見えるため、6月は上昇が期待できる。

引き続き2018年の仮想通貨市場に注目しておきたい。