今回は、2019年1月28日~2月3日に起きた、仮想通貨に関連するニュースと主要通貨の値動きについて振り返る。
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2019年1月28日~2月3日の仮想通貨の主要ニュース
米CBOE、VanEck/SolidXのビットコインETFを再申請
2月1日、シカゴ・オプション取引所(CBOE)がVanEck/SolidXのビットコインETFを再申請したことがわかった。このビットコインETFが可否判断される時期は、早くても10月初旬となる見込みである。
2018年6月に申請され審議されていたVanEck/SolidXのビットコインETFは、1月26日にCBOEによって取り下げられていた。取り下げの主な要因は、申請を審議する米国証券取引委員会(SEC)が政府閉鎖の影響を受けて機能がストップしたためだった。
その後、1月27日にトランプ大統領が暫定予算案に署名し政府閉鎖が解除されたことで、SECは通常通り審議可能となっていた。
英B2C2社、英FCAの認可を受ける
1月31日、銀行や証券会社に対し暗号資産のOTC取引を提供してきた英B2C2社は、イギリスの金融監督機関(FCA)から認可を受けたことを発表した。
イギリスの公的機関から認可を受けたことで、暗号資産全体の正当性が高まり、流動性が増すことが期待される。
認可を受けたのは、差金決済取引(CFD:Contract for Differences)である。差金決済取引とは、現物の受け渡しを行わずに差額のみを決済する取引手法のことで、レバレッジを効かせられるのが特徴だ。
このような金融派生商品が認可されたことは、仮想通貨市場にとってポジティブなニュースである。
仮想通貨決済サービス事業者CoinGate、リップルを支払い通貨に追加
2月1日、仮想通貨決済サービスを提供する事業者であるCoinGateは、新たにリップルを決済通貨として加えることを発表した。
CoinGateは、リトアニアにある企業で、ヨーロッパを中心に100カ国以上に事業を展開している。
リップルが新たな決済手段となったことにより、4,500以上のオンラインショップでリップルを支払い通貨として利用できるようになった。
CoinGateが提供する決済サービスでは、ビットコインをはじめ50以上の仮想通貨で支払いが行える。
個別通貨の動き
この1週間における、主要通貨の価格の動きを振り返ってみよう。
1月28日始値 | 2月3日終値 | 増減率 | |
ビットコイン | ¥391,000 | ¥378,000 | 97% |
イーサリム | ¥12,300 | ¥11,700 | 95% |
リップル | ¥34 | ¥33 | 98% |
ビットコインキャッシュ | ¥13,400 | ¥13,000 | 97% |
ご覧のとおり、2~5%の下落となった。
この下落基調の中でも、価格が大きく上昇した通貨と値動きは次のとおり。
1月28日始値 | 2月3日終値 | 増減率 | |
Augur(REP) | ¥1,400 | ¥1,600 | 110% |
ライトコイン(LTC) | ¥3,500 | ¥3,600 | 103% |
Nexo(NEXO) | ¥6.4 | ¥7.2 | 113% |
ビットコイン(BTC)
ビットコインは1月29日に37万円を記録し、今年の最安値を更新した。39万円台をキープできたのは月曜日のみで、あとは38万円~37万円台をウロウロする形となった。
1月28日に海外取引所Liquiが、流動性の低下を理由に取引所を閉鎖することを発表しており、これがマイナスの材料となった可能性がある。Liquiは、あまり有名でない草コインを上場していることで知られていたが、仮想通貨市場の低迷により利用者が激減したようだ。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムは、ビットコインと同じようなチャートをたどっている。29日に今週の最安値11,300円をマークしている。
イーサリアムは、1月31日にイーサリアムの開発チームが開発状況をGitHub上で公開している。GitHubを確認すると、開発が予定どおり順調に進んでいることが確認できるだろう。
リップル(XRP)
リップルは、30日から31日にかけて約14%の高騰を見せた。
価格が上昇したときは、リップルに直接関係のあるニュースは報道されていない。ただ、リップルが新たな国際送金システムに使われると期待されて価格が高騰した可能性が高い。
大手国際送金システムを手がけるSWIFT社のCEOが、XRPが決済通貨として採用されているR3社の決済アプリCorda Settlerと新たなシステムを統合すると発言している。Corda Settlerは、R3社が主導し、世界の大手銀行70社が共同で開発した金融機関向けのアプリケーションである。
この発言から、「リップルの技術を使ったプラットフォームが、国際送金システムに実装される可能性がある」と推測できる。
ビットコインキャッシュ(BCH)
ビットコインキャッシュは、ビットコインと同じようなチャートとなった。ビットコインキャッシュについてのニュースは、特になかった。
Augur(REP)
予測市場プラットフォームを作ることを目指すAugur(REP)は、1月31日ごろから徐々に価格が上昇している。
1月30日に予測マーケットのひとつGuesserがリリースされたからだ。1月中旬にメインネットVeilをリリースしたときと同様に、Guesserのニュースで価格が向上している。
ライトコイン(LTC)
ライトコインは、2月1日から価格が上昇基調にある。
ライトコインに関する直近のニュースは次の2つだ。
1月28日、創設者のチャーリー・リー氏が、ライトコインに今後匿名性をもたせることを示唆した。ツイッターでとられたアンケートでは、7割のユーザーが賛成している。
2つ目のニュースは、2月2日にドイツの証券取引所がライトコインを含む4通貨をサポートする暗号資産アプリをリリースしたことだ。ライトコインのほか、ビットコイン、イーサリアム、リップルが利用される。
Nexo(NEXO)
NEXOは、2月1日に23%の急騰となった。
NEXOは、仮想通貨を担保にすることで現金を借りられるサービスを展開している。また、NEXOトークン保有者には、純利益の30%が配当として支払われる仕組みだ。
インタビュー記事において、2018年度の利益は約3.3億円であり、その3割が配当金としてホルダーに支払われたことを発表している。これが急騰のきっかけとなったようだ。
今週の展望
2月11日時点でのトロン(TRX)の保有者に、BitTorrent(BTT)がエアドロップされる予定だ。
1月29日にICOが行われ15分以内に完売するほどの人気を見せたBTTトークンは、Binanceへすでに上場済みである。
エアドロップに参加される方は、次の条件があるため注意されたい。
- エアドロップ割合:1TRXに対し0.11BTT
- 最低保有枚数:100TRX以上
まとめ
先週に引き続き、今週も価格は概ね下落基調にある。
しかし、その下落基調の中でもポジティブなニュースは多い。ポジティブなニュースをタイムリーにキャッチし、取引に活かしていただきたい。